漢字の世界が楽しい!台湾の旧正月に飾られていた春聯を集めて見た

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中華系のレストランでよく見られる、「福」や「春」が逆さまに貼り付けられた赤い紙。これは春聯といい、旧正月に新年を祝うおめでたい文字を書いて飾っておくものだ。日本の正月飾りは7日に外してしまうが、中国は春節に貼った飾りは一年間つけっ放しにして、毎年また正月がきたら張り替える。

「福」や「春」が逆さまに貼り付けられているのは言葉遊びで、福到了=福が来た、
春到了=春が来たを意味しており到了(来た)と倒了(逆さまになった)が音が同じというシャレだ。この「福」や「春」の他にも、いろいろ洒落っ気の効いているものがあって、新しいものを見つけたらついつい写真に納めてしまう。

 

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左:このブログのタイトルでもある年年有餘(魚)。年を追うごとに余裕が出てくる。餘と魚の音が同じ。
右:午年の春聯。馬上有錢:馬の上にお金がある=今すぐお金持ち!の意味。中国語の言葉遊びは面白い。

 

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文学館に貼ってあった、品のある春聯。 左:論語"見賢思齊焉見不賢而內自省也"。賢い人に会ったらよく観察し、賢くない人に会ったら、自分のことを振り返って反省する。右:漢張衡《東京賦》:「惠風廣被,澤洎幽荒。」

 

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左:こういうのもかわいい。右:みかんが可愛い。黃金萬兩。

 

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四字熟語を一つの塊にまとめたものを組合字という。よく見かけるのは左、招財進寶。宝をたくさん積んだ宝船に見える、見事な組合字。右は學好孔孟。孔子孟子をよく学べ。

 

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組合字は招財進寶以外にもたくさんある。黃金萬兩、日日有見才、日進斗金。こちらの春聯は達筆だなぁ。

 

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う、うわー!ここまでくると読めない〜!!!

 

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ところで、これは組合字ではなく、57画の難読漢字。Biángと読み、オノマトペ(象聲詞)に分類される。西安・咸陽などの都市がある陜西エリアの伝統的な平たい麺料理BiángBiáng麺に当てられた文字。これは辞書にも掲載されているのだ。

漢字の世界はとても楽しい。台湾の中国語は繁体字が使われているので、漢字が好きな方にはおすすめの場所です。

 

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