台湾ではパイナップルは縁起物|中国語方言
台湾でよく商店などに飾ってある、お正月飾りのパイナップル。ところで、なぜパイナップルの形をしているのかご存知だろうか。
臺灣國語(台湾の国語、中国語)では、パイナップルは鳳梨と書く。これを中国語方言の台湾語(閩南語)で発音するとオンライ=旺來となり、福を呼び寄せる非常に縁起のいい言葉になる。要するに、ダジャレだ。
中国や香港ではパイナップルを鳳梨ではなく菠蘿と書く。なので、お正月にパイナップルの飾りを使わない。マレーシアチャイニーズは、主に福建系と広東系に別れる。福建系は台湾と同じ閩南語を話すので、パイナップルは縁起ものだ。店先の正月飾りでそのチャイニーズのルーツを想像することができる。
ところで、広東省の春節飾りでよく見かけたのは、ミカンの鉢植。まるで日本の門松のように、入り口に二つ置いてある。ミカンは中国語では橘子、習慣的には桔子と書き、これが吉字(縁起のいい文字)とよく似ているのでミカン=縁起物となった。中国語の四字熟語でお正月によく使われる大吉大利も、この吉の音に合わせてミカンのモチーフと一緒に描かれる。ちなみに、台湾だとミカンは柳丁という。
なぜかはわからないが、台湾と中国で言い方が違う野菜や果物の名前は多い。
中国 | 台湾 | 日本語 |
---|---|---|
菠萝 | 鳳梨 | パイナップル |
猕猴桃 | 奇異果 | キウイフルーツ |
桔子 | 柳丁 | オレンジ |
西兰花 | 花椰菜 | ブロッコリー |
西紅柿 | 番茄 | トマト |
土豆 | 馬鈴薯 | ジャガイモ |
春菜 | 大陸妹 | レタス |
中国、または台湾のどちらかで中国語を学び、別の土地に行くといろんな違いがわかってきて、より中国語が面白く感じられると思う。
香港で有名な菠蘿包(パイナップルパン)はこちら ↓