家族が集まって生春巻きを食べる台湾の清明節|潤餅捲

中華圏の人々の生活は陰暦カレンダーで運営されていて、特に重要な季節のイベントは、春節清明節、端午節、中秋節の四つ。(これを華人四大節日と言ったりするらしい。)

この四つの中で、一番日本人に馴染みがないのは清明節だろうか。これは3月から4月ごろ、季節が春に変わる頃のイベントで、家族で集まってお墓まいりにいく習わしだ。

中国語で清明節は(チンミンジエ)と読むが、沖縄でもこの季節にチーミーと呼ばれるお墓まいりに行く日があるというから、起源は同じものだと思う。

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この清明節に、台湾のご家庭(特に台湾中南部)では潤餅捲を食べる。潤餅捲とは春巻きの原型と言われる古くからある食べ物で、クレープ生地のような柔らかい皮に、もやしやきゅうり、人参、卵、ピーナッツなどを包んで食べる。

清明節の季節には、台南のローカル市場で生春巻きの皮作りを見ることができた。鉄板の上にこねたタネをぐるっと擦り付けて薄い皮を作る。そして、近くのお惣菜屋さんでは潤餅捲の中身の具を売っていた。

潤餅捲の材料は全て市場で揃えることができるから、家で調理する必要がないようだ。(この便利さが台湾の主婦たちを料理から遠ざけているw)

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こうして、市場で買ってきた具材を机に並べ、あとは各自好きな具を皮で巻いて食べる。日本の手巻き寿司パーティーとコンセプトは同じ。

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具を包む前に、皮に豆腐乳をうすーく塗る。結構しょっぱいのでつけすぎないように注意が必要。この豆腐乳は豆腐を発酵させた食品で、ベジマイトっぽいものをイメージしてほしい。潤餅捲の味付けはこれで完了だ。

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こちらのお宅で使っていた豆腐乳がとても美味しかった。豆腐乳は各ご家庭でお好みのものを使うらしい。丸莊醬油 | 台灣人幸福的味道

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潤餅捲はご家庭で食べるものだが、屋台などでも売っている。清明節の時期に雙連の朝一で見つけた潤餅捲。ピーナッツが加えられてるところが南国情緒があるなと思う。潤餅捲の看板を見かけたら、ぜひ食べてみてほしい。